… まるで「母親が子供に言う」ようなことを「上司が部下に言う」としたら …
１．言い訳をしない
「言い訳をしない」「人のせいにしない」「相手のことを考える」等々はいずれも親が子に諭すようなことですが、一人前の社会人の、基本的な仕事の進め方についても、実に同じ教訓が通用します。
「仕事ができない」言い訳を、自分自身の能力や努力や工夫以外のせいにして言い逃れしようとする人たちがいます。仕事上の成果や解決は、現実のさまざまの制約や障害を何とかして切り抜けること以外には得られないのです。
２．人のせいにしない
企業の実務の中にも、仕事の成果が出ないのを、他部署のせいにする、上司のせいにする、ひどい例では、業績の不振を、会議の場で、公然と部下のせいにするような上司もいます。
「仕事」は「人と組織を通じて」こそ成果や解決が得られるのですが、「人と組織」も、自らの努力や工夫や苦労を惜しんで仕事が出来ないことを人のせいにするような人には理解も支持も協力も与えません。
３．怒りにまかせない
人間の内面的な感情は、周囲のほんの些細な出来事によって変化や起伏を生じてしまうので、特に顧客を相手に成果を上げることを求められる職種では、自分の内心やストレスのコントロールにずいぶん苦心されることでしょう。
「仕事」は、「人と組織を通じて」こそ成果や解決が得られるのであって、相手が顧客でも部下でも、相手が自分の思い通り動かないからと言ってその苛立ちや怒りをぶつけていたのでは、その理解も信頼も期待できるはずがありません。
４．相手のことを考える
人の理解と支持や協力を得ながら仕事を進めようと思うなら、自分の言動や態度が「理」に適っていて、「なるほどその通り」と相手や周囲に思わせることが必要であり「理の通らない」言動や態度は、理解も支持も協力も得られません。
併せて自分の言動や態度が、「情」に通じていて、「よく分かってくれる」と相手や周囲に思わせることが必要であって、相手や周囲の心情より自分の都合や心情を優先していては、理解も支持も協力も得られません。
５．偉そうに言わない
実務的な「仕事」の多くは、単なる「知識」や「作業」でもなく、そこに現実的な成果や解決が得られない限り（少なくとも現実的な成果や解決に向けられた有効な努力がない限り）「仕事をした」ことにはなりません。
現場（現実）にあるさまざまな制約や障害や矛盾、それらとの悪戦苦闘も試行錯誤も知らぬげに、「～すればいい」と評論家のように一般論を唱えて仕事をした気になっているような人には、当たり前ですがリーダーは務まりません。
６．否定しない
コミュニケーションの大原則は「肯定的受容」と「積極的傾聴」であり、人の言うことを「否定してかかる」（あるいは「中断する」「無視する」）ような言動や態度は、コミュニケーションを阻害してしまうに違いありません。
良好なコミュニケーションあってこそ良好なヒューマンリレーションが形成でき、そのためにはたとえ相争う関係にある相手に対してでも、特に相手の人格的要素を否定してかかることは、何の解決にもつながらないと知るべきです。
７．早め早めに行動する
「早くしなさい」は母親が子供に言う常套文句のようですが、同じことを社会人・職業人どうしで（「上司」だ「部下」だと言って）言わなければならないとしたらとても恥ずかしいことだと思います。
上司が部下に言うとしたら、「プロアクティブ（早め早めに手を打て、着手せよ、依頼をかけよ）」と言うことでしょう。「いつも納期ぎりぎりにしか仕事ができない」人の問題は「スピード」でなく「タイミング」だと思います。