スポーツでいう「コーチ」がビジネスでも使われるようになったのは、1974年に、米国のテニスコーチであるティモシー・ゴールウェイが「インナー・ゲーム・オブ・テニス」という本を出版したのがきっかけ、とのことです。
<以下筆者意訳>
選手のスキルを上達させるためには、コーチは「こんなボールが来たら、スタンスは…グリップは…フォロースルーは…」などと単に技術論を教えるのではなく、もっと視覚的・感覚的イメージをプレーヤーと共有することが必要だ。
知識・過去のノウハウに基づいた義務感や思い込みにとらわれた「セルフ1」
の弊害を断ち切り、ありのままの自分である「セルフ2」が持つ感覚や感性を磨くことが重要である。
重要変数(パフォーマンスを高めることに密接に関係する目に見える事象)にフォーカスすることによって、アウェアネス(気づき)を高め、学習能力やパフォーマンス能力を阻害する「セルフ1」を鎮めることができる。
コーチングとは、会話や人間のあり方を通じて、本人の望む目標に向かって、本人の満足の行く方法で進むことを促進する環境を生み出す技術であり、ある人間が最大限の成績を上げる潜在能力を開放することである。
それは、その人に教えるのではなく、その人が自ら学ぶのを助けることである。(つまり、一流のコーチとは選手の能力を最大限に引き出すコミュニケーション能力(相手を動機づけできる能力)を持った人であると言える。)
コーチングは、問題解決の能力や答えは相手の中(多くは本人の潜在意識下に眠っていて本人も気付いていない)にあることを原則として、様々な質問やフィードバックなどのコーチングスキルを使用する。
それにより、本人の潜在意識の中にある答えを引き出して気づきを与え、動機づけをし、自発的な行動・学習を促し、目標達成(自己実現)をサポートすることができるのである。