20230715 記
1.働く職場の現代的な三大苦悩?
最近、人事コンサルとしての筆者に、クライアントから寄せられる相談事の多くは、パワハラの被害と加害の問題、メンタル不調や発達障害や未成熟性の問題、およびそれらに起因する休職・復職、退職・解雇に関する問題です。
2.パワハラと注意指導の境界線
「こういう言い方はパワハラに当たりますか?」というご質問がありますが、個別具体的な「状況」からそういう「言い方」だけ切り出してそれが「パワハラ」に当たるかどうかは判断できません。
「パワハラと言われるのが気になって注意指導できない」というご相談もありますが、「パワハラ呼ばわりされる」のを懸念するあまり、本来行うべき「注意指導」を避けてはなりません。
以下にせっかくの「注意指導」が「パワハラ」の誹り招きやすい言動や態度の上での要素や特徴や傾向をいくつか挙げてみます。
① 怒っていないか?
注意指導する側が、怒りやイライラなどの自分のネガティブな感情をそのまま相手に対する言動や態度としてぶつけるようなことをしていないかどうかです。自分の感情と相手に対する言動や態度の間には冷却回路や論理回路が必要です。
② 相手へのリスペクトがあるか?
パワハラに限ったことではありませんし、相手が子供や生徒や部下など、いかなる「人」に対する言動や態度であっても変わりませんが、要するに相手の「人格」や「人格的要素」に対する侵害を伴うものであるかどうかが境界線だと思います。
③ 相手の動機付けや成長促進につながるか?
指導育成というのは、相手が子供や生徒や部下など、いかなる「人」であっても変わりませんが、その「人」を内発的に動機付け、その「人」から自己認識や自己改善や自己成長を引き出すことです。そうでないものは指導育成に当たりません。
④ 相手と普段からコミュニケーションがとれているか?
普段から「挨拶・礼儀・返事」を欠かさず、円満なコミュニケーションがとれているか。言うべきときに、言うべきことを、言うべき言葉で言い合っているか…普段から「幅(許容度や理解度)」のあるす方向のコミュニケーションがとれているか。
⑤ 相手と信頼関係があるか?
同じような言動や態度でも、相手との間に「信頼関係」があるかないかで、パワハラになったりならなかったりする。もちろん相手のインテリジェンスやパーソナリティーにもよるが、それと同時に、それに応じた信頼関係が築けているか。