福沢諭吉『猿に見せるつもりでかけ。おれなどはいつも猿に見せるつもりで書いているが、世の中はそれでちょうどいいのだ。』
20240904 記
参考)コミュニケーションにおける「分かりやすさ」=「伝わりやすさ」のポイント
□ 相手と「言葉」を共有する。言葉の「一義性」(その反対は「多義性」)と言うが、原則としてひとつの言葉はひとつ意味で使い、同じ言葉は同じ意味で使う。相手との間で意味の明確な(真意を共有できる)言葉を使う。
□ 相手と「論理」を共有する。「1+1=2」という数理や「AならばB」という最も基本な論理を使い、一般的で常識的な経験則を使う。複雑な事項であっても、相手との間で論理や経験則をひとつひとつ積み重ね、共有しながら進める。
□ 相手と「論点」を共有する。何について言い、聴き、書き、話しているのか、という論点を常に相手と共有する。「論点ずらし」をしない・されない。箇条書きや段落分けや見出し付けなどの書き言葉での工夫を話し言葉でも応用すれば分かりやすい。
□ 相手と「問答」を共有する。お互いに相手の問いと自分の答えを一対一に対応させる。つまり「一問一答」。議会でいう「答弁漏れ」や、肝心の問いに答えず、よく分からないまま要領を得ない答えを延々と繰り返す「はぐらかし」をしない・されない。
□ 相手と「主語と述語」や「5W2H」を共有する。誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように・どれだけ…。主語と述語さえ省略できてしまうのは話し言葉の強みでもあるが、書き言葉では誤解を生じやすいので不用意に省略しない。
□ 相手と「反応」を共有する。話し言葉では、お互いに、相手の表情や態度を良く見ながら話せば、相手の理解の程度が分かる。一方的な否定や遮りにならない程度に質問や意見を交える。書き言葉でも基本は同じ。分からないことそのままにしない。
□ 相手と「視覚」を共有する。相手の目に見えるように話し、書き、描く。相手の脳裡に絵を描くように、書きながら話し、話しながら聴き、聴きながら話す。話す・書く・聴く・描く、それぞれの強みを生かし、弱みを補い合う。
□ 相手と「価値観」を共有する。シンボリックに話し、書く。概念化能力、コンセプチャル・スキルとも言う。例えばあるメーカーの「最善か無か」という言葉や、ある経営者の「モノではなくヒトを作れ」という言葉(価値観)を共有する。