<追記事項_仕事の基本は正確さと迅速さと丁寧さ>
繰り返しますが、仕事の基本は「正確・迅速・丁寧」です。すなわち、「正確」さは仕事の生命であり、「迅速」さは仕事の強さであり、そして、「丁寧」さとは、仕事の「正確」さと「迅速」さの上に成り立つ仕事の付加価値です。
また、仕事の「丁寧」さとは、相手の立場や視点に立って相手にとっての便利さや使い易さ、見やすさや分かり易さへの努力や工夫や配慮を惜しまないこと(総じて相手への「親切さKindness」)を言います。
「正確さと迅速さ」は物理的または技術的な要件ですが、「丁寧さや親切さ」は、もっと人間的な、または適応的な要件です。つまり、仕事の成果を、そこ(人間関係)に投げ込んでみて初めて生じる仕事の意義や価値のことです。
<追記事項_正確さを担保する仕組み>
人間の仕事には「ケアレスミス」が付き物です。人によって「ケアレスミス」
が多い人も少ない人もいます。人によって「ケアレスミス」のパターンや「ケアレスミス」が生じやすい条件も違います。
もちろん、「注意力や集中力を高める」のも良いのですが、もっと実務的に言えば、自分自身の「ケアレスミス」のパターンや条件を知り、それが生じにくく、それに気付きやすいような仕事の進め方を習慣化することです。
(例えば;筆者の例)
入力ミスを防ぐ習慣
・ひとつひとつ順番に入力する。
・数値でも文章でも、入力したら、その都度読み返して、先に進む。
・数値の場合は入力件数のチェックや、入力値の合計をチェックする。
<追記事項_迅速さを担保する習慣>
これも「習慣」の問題です。「能力より習慣」の問題です。例えば「早め早めに着手し、片づける」という習慣です。「人への依頼ごとは早めに」「仕事の段取りを早めに」「人への報告・連絡・相談を早めに」する習慣です。
また「スピードよりタイミング」です。仕事が早い人は必ずしもスピードが速いのではなく、タイミングが早い。仕事が遅い人は必ずしもスピードが遅いのではなく、タイミングが遅いのです。
<以下原文>
1.ここで言うリテラシーLiteracyとは?
ここで言う「リテラシー」は、昔で言えば「読み・書き・そろばん」であり、今で言えば「コミュニケーション能力」や「IT能力」など、社会人・職業人となる前に当たり前に身に付けておかなければならない能力を言います。
特に組織のメンバーのひとりとして協働的に仕事を進める上では、当該組織に最低限必要とされるリテラシーのレベルがあるはずで、それをクリアしないと組織的な協働性を損ねてしまうので常にその維持向上(底上げ)が必要です。
2.文書化 by Documentのリテラシー
例えば、コミュニケーションとモチベーションとエデュケーションが、働く上での三大リテラシーだと筆者は思いますし、コミュニケーションの中では「報告・連絡・相談」または「聴く・言う・書く」が三大リテラシーでしょう。
この稿では、特に「書く」こと、の習慣や能力を最も重要で基本的なリテラシーとして取り上げます。(組織にもよりますが、文書化の習慣が定着していない組織や文書化の能力が不足している人が少なくありません。)
①文書化の効用について
実務上のコミュニケーションにおいても「訳の分からない」やりとりが少なくありません。相手とのやりとりが「訳の分からない」状態になりそうなら、お互いに自分の言い分を「文書化(書いて示す)」することをお奨めします。
文書化すればお互いの言い分の不合理な点や無理矛盾する点が目に見えてくるはずです。それをお互いに取り交わし、Face to Faceの直接対話を(で)補えば、より良いコミュニケーションができるはずです。
②文書化の習慣について
次のような場合は、口頭で済ませず、電話だけでなく、文書化するべきだと、少なくとも筆者は考えます。(なお、ここでの「文書化」とは、電子メールでも良く、口頭や電話での曖昧なやりとりを補う「文書化」を言います。)
例)日常的な報告・連絡・相談(特に正確さを要するもの、複雑なもの)
例)会議を効率的・効果的に進めるための事前準備資料
例)会議での議論の経緯と結果、交渉や打合せ等での合意事項の記録
例)日報、月報など定例的な業務の報告
例)非定例的業務(特命業務等)の計画と進捗、およびその報告
例)備忘録(記憶に頼らず記録を残す)
例)相手との間に認識の相違がある事項の調整
③文書化のステップについて
「文書化する」という仕事のしかたについては「イマジネーションImagination」の稿の通りです。
A) 相手に伝えたいイメージを正しく自覚し、
B) それを自分が読んで分かるように文書化し、
C) 相手がその文書を読むだけで、
D) イメージを正しく認識・把握することができるように何度も推敲・添削する
相手がそこにいると思って、言いたいことを何度か口に出して言ってみて、矛盾や過不足が無くなってきたら、言いたいことを項目立てて(1.結論、2.理由、3.提案、…)箇条書きに書いて、推敲と添削を繰り返すことです。
④文書化のチェックポイントについて
上記と重複しますが、実務上の文書のチェックポイントをいくつか紹介します。
□ 自分で音読してみて滞りなく読めるか?(誤字・脱字がないか?)
□ 相手がそれを読むだけで分かる(補足説明を要しない)か?
□ 論点(何について)が明確で、論点毎に段落分けされているか?
□ 相手の質問と自分の回答が1対1に対応しているか?
□ 主語と述語の対応が取れているか?
□ 5W2H(Who-What-When-Where-Why-How-How much)が明確か?
□ 「1+1=2」という数理、「AはBである」という論理の矛盾はないか?
□ 一覧化や図表化など、視覚効果も上手く使っているか?
□ 発行年月日と文責(作成者・発行者)、連絡先等が明記されているか?
□ 文学的修飾を避け、一文一意の簡潔明瞭な記述になっているか?
□ 特に電子メールの場合
□ タイトルを見ただけで内容が容易に推測できるか?
□ toと㏄を過不足なく選定し、同報機能による情報共有化を行っているか?
□ 関連のメールが過不足なく引用され、やりとりの経緯が確認できるか?
□ クイックレスポンス(遅くても24時間以内)しているか?