1.仕事の目的や価値を見失ってはならない
どのような仕事にも「目的」があり「相手」がいます。単に指示された目の前の仕事だけを「作業」としてこなすのではなく、「何のための仕事か」「誰のための仕事か」という仕事の「目的」や「相手」へのImaginationが必要です。
例えば上司から「文書のコピーをとる」という「仕事」を指示された場合でも、先ずは「コピーをとる」という「仕事」をひとつの「作業」として「正確・迅速・丁寧」に完遂すること自体は必要であり重要なことです。
「文書のコピーをとる」という「仕事」にでさえ、「何のためか(会議・広報・契約…)」という「目的」があり、「誰のためか(上司・顧客・株主…)」という「相手」があります。この「相手」への視点を決して失ってはなりません。
仕事の目的については「何のためか」という問いを少なくとも三回問いかければ「それは何のため?」→小目的→「それは何のため?」→中目的→「それは何のため?」→大目的と、より根源的な目的や価値やニーズに思い及ぶはずです。
また仕事の相手についても、眼前の「相手」だけではなく、その背後にはその仕事に期待しその仕事をInputにして、さらに大きな(高い)Outputを生みだそうとしている社会的な広がりを持った「相手」に思いが及ぶはずです。
そうした仕事の「目的」や「相手」への思考を停止しないことが、仕事を「賃金」を得るための単なる「労務」や「作業」で終わらせず、仕事に「価値」を吹き込み、仕事を通じた「成長」をもたらす思考や習慣の第一歩です。
2.やりくりすること、何とかすることが仕事
企業経営(したがってあらゆる「仕事」)の資源は「ヒト・モノ・カネ・情報・時間」という人間的・社会的諸資源であり、重要なのはいずれも「有限の資源」であり、「コスト」であるということです。
企業経営者の仕事も、一人ひとりの構成員の仕事も同じく、一定の目的を達成し、一定の価値を実現するために、これらの有限な人間的・社会的な諸資源を最も効率的かつ効果的に配分し、組み合わせる(やりくりする)ことです。
また、実際に仕事をしていると、まるで「障害物レース」であるかのように、次から次へと「上手くいかない」こと(困難や問題や矛盾)が行く手を阻んだり足を引っ張るように立ち現れるてくるのが現実です。
困難や問題や矛盾の中には一見、自分の努力ではどうにもならないように見えることも多いですが、それを言い訳にしても人のせいにしても抱え込んでいてもどうにもならず、自分の知恵と組織の協力で何とかする以外にはないのです。
3.解決Solutionすることが仕事
これも既に述べたとおり(Managementの稿)ですが、実際に仕事をしていると、一見して二律背反に見えるようなニーズや、一見して解決不可能に見えるような対立関係に巻き込まれることも少なくありません。
自分では手を下さず、もっともらしい「一般論」や「べき論」を言うだけでは何の解決にもなりません。言い訳も人のせいにもできません。そこを「やりくり」して「何とか」しないかぎり、現実的な「解Solution」には繋がりません。
それは「足して2で割る」ことでも「無理を通して道理を引っ込める」ことでもなく、お互いに、仕事(しようとしていること)の目的(何のために)と相手(誰のために)への思考と発想を拡げれば解の成り立つ余地も拡がります。
お互いの小目的・中目的にとわられず、お互いの真のニーズに目を向け、眼前の卑小な争いを止めて譲るべきところを譲り合い、お互いにとってより本質的な大目的にそった解に達すること=Solutionが「仕事をする」ことです。
<仕事は Output より Outcome>
ラブレターをいくら書き重ねても、それだけでは愛を成就させることはできません。「仕事は作業ではない」のとおなじように、「仕事は Output(どれだけやったか?)」よりも「仕事は Outcome(その結果どうなったか?)」です。