5_1 自分の仕事を「後戻り」させないでほしい~PDCAサイクルで仕事を廻す~
PDCAは、仕事をマネジメントするサイクルです。「~しようと思うこと(Plan)」「実際にやってみること(Do)」「上手くできたかどうか評価すること(Check)」「次はこうしようとすること(Action)」というサイクルです。
自分の仕事の意義や目的をしっかりと弁(わきま)え、「~したい」「~しよう」という仕事の「目標状態」を具体的に描き出し、「そのためにはいつまでにどうするか」をあらかじめ明らかにすることがP(Plan)です。
実際の実行過程では、まるで障害物レースのように、「そうは言ってもできない理由」が次々と現実に生起します。「目標状態」とそうした諸現実との間でどうやって「闘うか(試行錯誤と悪戦苦闘)」がD(Do)です。
目標や計画どおり順調に進捗するならそれで結構ですが、上記のように現実にはそう上手くは行きません。その差分(目標や計画と現実や実績との差分)とその差分を生じた原因をしっかり把握・分析しておくのがC(Check)です。
仕事は単なる繰り返しの作業ではありません。同様の仕事で指示されたこ、と学んだことを次の仕事に生かすことが「より良い仕事をする」ことであり「より良く仕事をすること」です。これが即ちA(Action)です。
<追記事項>PDCAは一日一回廻す。
PDCAは「忘れた頃に廻す」「1日1回廻す」ことを習慣にして下さい。今日は「~しよう」、今日は「~だった」、明日は「~しよう」ということを積み重ね、繋ぎ合わせ言って下さい。
5_2 「~してから」ではなく「~ためには」で計画してほしい~逆算式計画法~
「~してから」と作業を積み上げるのは「計画」ではなく、単なる「予定」です。「計画」とは、「~(する)ためには」と、目標状態から逆算して「やるべきこと(to Do)」を洗い出して線表上に結び付けたものです。
上司の立場で部下に仕事の進捗を尋ねると、「まだ~してません」と答え、その理由を質すと「~で忙しいから」と答え、今後の予定を問うと「~してから考えます」と答える人が本当に実在します。
また、「がんばります」とばかり孤軍奮闘よろしく仕事をひとりで抱え込み、途中の連絡も相談も報告もないまま期限直前になって「がんばりましたができませんでした」と言い出す人が、本当に実在します。
計画的に仕事をする、ということは、目標成果や、そのための手段や過程が組織で協働する誰の目にも明確になっており、計画と実績の差異とその原因が常に分析・評価され、手段や過程にフィードバックされている、という意味です。
仕事は単なる個人作業の集積ではありませんし、そうさせてはなりません。何らかの目標を達成し、何らかの価値を実現するための組織的協働です。そのためには、計画的に仕事をすることが絶対に必要です。
5_3 仕事のQCD
「正確・迅速・丁寧」が仕事の基本です。「巧遅より拙速」「迅さは強さ(競争力)」という言葉がありますが、いくら迅速でも「正確さ」が無ければ危険です。また、相手の立場でもうひと工夫する「丁寧さ」が仕事の価値を高めます。
「Q(Quality=品質)」「C(Cost=原価)」「D(Delivery=納期)」を常に意識しながら仕事を進めることももうひとつの基本です。いくら「正確・迅速・丁寧」でも、コスト割れや納期遅れを生じてしまっては仕事になりません。