(1)Organization(組織化)
「組織を通じて引き出される力は、個々人の力の単純な和より小さい」というのが社会心理学上の「綱引き理論(集団的サボタージュ)」であり、組織の中では、少なくとも量的には、個々人の力を抑制・減殺するメカニズムが働きます。
組織を構成する個々人のベクトルは、方向も大きさも一様でなく、組織へのコミットメントの深さや広さや強さも個々さまざまです。これらのベクトルの減殺効果を最小化する、ということも組織マネジメントにおいて必要です。
組織化とは、人と仕事を、人の成長と仕事の成果の両観点から関係づけることであり、人と人を、一方のOUTPUTが他方の最適なINPUTになるように関係づけることです。そうして人の成長と仕事の成果が最大になるようにすることです。
メンバー ⇒ OUTPUT / INPUT ⇒メンバー OUTPUT / INPUT ⇒メンバー
(2)Succession(継承)
組織の本質は、「人が変わっても組織は変わらない」ことです。(例えば組織の目的や価値、組織のしくみなど。)また「人が変わっても組織は維持される(継続性)」ことや「個々の人に依存し過ぎない(非属人性)」も本質です。
組織において、あらゆる仕事は「自分がいなくても動く」ようにしておかなければなりません。そういう意味で、組織における人事マネジメントの主要な機能のひとつは、「次世代のリーダーを見出してこれに継承すること」です。
特に、採用、育成、評価、処遇という人事マネジメントのプロセスは、それぞれに重要な意義を持ちますが、それらは同時に「組織や企業の将来を託するに相応しいリーダーを選抜する」という共通的な機能をもったプロセスです。